ホーム > サポート > 第31回「自己抗体と自己免疫」シンポジウム

第31回自己抗体と自己免疫シンポジウム

疾患特異的マーカー研究の最前線2024
Cutting edge research topics on disease-specific marker 2024

第31回「自己抗体と自己免疫」シンポジウムは終了いたしました。
多数のご参加誠にありがとうございました。
当日の様子はこちらからご覧いただけます。

お問い合わせ: koutaisympo@mbl.co.jp
開催日時 2024年2月3日(土)14:00〜18:40
2024年3月4日(月)~2024年6月4日(火)(オンデマンド配信)
開催形式 現地開催(同時ライブ配信なし)
会場 丸ビルホール 丸ビル7階(東京都千代田区丸の内2-4-1)※開場 13:30
後援 株式会社医学生物学研究所
入場 無料
お問い合わせ koutaisympo@mbl.co.jp
開催日:(2024.2.3 東京)
世話人

渥美 達也(北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室)
桑名 正隆(日本医科大学大学院医学研究科 アレルギー膠原病内科学分野)
藤本 学(大阪大学大学院医学系研究科 皮膚科学教室)

申し込み

パンフレットのダウンロード(PDF:2.01 MB)
抄録集のダウンロード(PDF:450 KB)
オンデマンド視聴申し込みフォーム
 (視聴申込受付期間 2024年2月26日~6月4日)
 ※ウェブ配信は木村情報技術株式会社のサービスを利用して行います。

コロナ対策

本シンポジウムは現地会場で開催いたします。それに伴い、新型コロナウイルス感染拡大防止の取組みを行います。
会場にお越しになる皆様におかれましては、「感染症対策について ご案内とご協力のお願い 」をご一読いただき、ご協力をお願い申し上げます。

Opening remarks(14:00 - 14:05)

桑名 正隆(日本医科大学大学院医学研究科 アレルギー膠原病内科学分野)

MBL製品のご紹介(14:05 - 14:15)

講演(14:15 - 16:25)
  1. 1. I型インターフェロンと免疫異常
    [抄録を見る▼]

    座長渥美 達也
    (北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室)
    演者髙岡 晃教
    (北海道大学 遺伝子病制御研究所 分子生体防御分野)


  2. 2. 自己免疫性疾患における進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)/進行性肺線維症(PPF)
    [抄録を見る▼]

    座長桑名 正隆
    (日本医科大学大学院医学研究科 アレルギー膠原病内科学分野)
    演者藤澤 朋幸
    (浜松医科大学 内科学第二講座)


  3. 3. 天疱瘡治療、最近の進歩
    [抄録を見る▼]

    座長藤本 学
    (大阪大学大学院医学系研究科 皮膚科学教室)
    演者高橋 勇人
    (慶應義塾大学医学部皮膚科)

特別講演(16:25 - 17:25)
Autoantibodies in the diagnosis and management of myositis spectrum disorders
[抄録を見る▼]

座長藤本 学
(大阪大学大学院医学系研究科 皮膚科学教室)
演者Neil McHugh
(the Department of Life Sciences, University of Bath)

Closing remarks(17:25 - 17:30)

渥美 達也 (北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室)

閉会後、ささやかながら情報交換会の場をもうけさせていただきます(17:40-18:40)

1. I型インターフェロンと免疫異常

髙岡 晃教
北海道大学 遺伝子病制御研究所 分子生体防御分野

 抗ウイルス活性と誘導する因子であるインターフェロンはその発見から70年近く経ち、現在、インターフェロンは、細胞内シグナル伝達を誘導するのに使われる受容体複合体の違いに基付き、I型からIII型の3つに分類されている。この中で特にI型およびIII型インターフェロンが、ウイルス感染によって強力に発現誘導され、ウイルスに対する感染防御の重要なパートを担っている。さらに自然免疫におけるパターン認識受容体の研究が進み、ウイルス感染時に、PAMPs(pathogen-associated molecular patterns)としてウイルス由来の核酸がパターン認識受容体によって認識されることで、I/III型インターフェロンのみならず、様々な炎症性サイトカインの遺伝子発現が誘導されることが明らかになってきた。とりわけ、これらの核酸センサーは何らかの組織障害やストレス、がん等の際にもDAMPs(damage-associated molecular patterns)して自己由来の核酸を認識することで炎症や自己免疫の病態に関わってくることが示されてきた。とくにI型IFNのシグナル亢進と病態形成との関連性が報告されている。一方で、核酸認識に関わるパターン認識受容体やその経路の関連分子をコードする単一遺伝子性の先天性異常、あるいは核酸の代謝分解に関わるタンパク質をコードする遺伝子変異がもたらす機能異常によって、慢性的なI型IFNシグナル伝達や重篤な炎症性疾患を引き起こす、Aicardi-Goutières症候群や乳児発症STING関連血管炎症候群,Singleton-Merten症候群などに代表される疾患が報告されている。とくにI型IFNのシグナル伝達に関係した様々な遺伝子変異が引き起こす疾患をI 型インターフェロノパチィー(type I interferonopathies )と呼ばれている。今回の講演では、このようなI型インターフェロノパチィーにおいて炎症や免疫の異常をもたらす分子レベルでのメカニズムという観点から概説する。さらに最近の我々の自然免疫研究から、ある特定の核酸認識に関わるパターン認識受容体が関与する新たな核酸認識機構とその下流に引き起こされるI型インターフェロンや炎症性サイトカインの感染防御における役割を示し、炎症性・自己免疫疾患病態のバイオマーカーの可能性について議論する。


2. 自己免疫性疾患における進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)/進行性肺線維症(PPF)

藤澤 朋幸
浜松医科大学 内科学第二講座

 間質性肺疾患(ILD)は,特発性間質性肺炎(IIPs),自己免疫性ILD,職業環境性ILD(塵肺や過敏性肺炎)など,多岐にわたる疾患を包括する疾患群である.ILDの約半数を占めるIIPsの中で,特発性肺線維症(IPF)は最も高頻度で,かつ,慢性進行性の線維化を来たす予後不良な疾患として重要である.IPFには未だ疾患を改善させる治療法はなく,抗線維化薬(ピルフェニドン,ニンテダニブ)はFVCの経年低下を軽減して疾患進行を遅らせる効果にとどまる.
 IPF以外のILDにおいて,各疾患に対する標準的治療を行っても進行性の線維化を呈して,IPFと同様に呼吸機能が低下して症状悪化を示すフェノタイプが存在することが知られている.近年,この様な一群を,“進行性線維化を伴う間質性肺疾患(progressive fibrosis interstitial lung disease :PF-ILD)”と称して,臨床的検討が行われてきた.疾患進行の基準は試験毎に若干異なるものの,標準治療の実施にもかかわらず24ヶ月以内に以下の基準に少なくとも1つに該当するものとされる:①%FVCの10%以上の減少がある(相対変化量)②%FVCの5%以上10%未満の減少(相対変化量)が見られ,かつ,胸部画像上で線維化変化の増加がある ③%FVCの5%以上10%未満の減少(相対変化量)が見られ,かつ,呼吸器症状の悪化がある ④呼吸器症状の悪化および胸部画像上で線維化変化の増加がある.自己免疫性ILDにおいても,強皮症,関節リウマチ,皮膚筋炎/多発性筋炎,シェーグレン症候群,全身性エリテマトーデス,混合性結合組織病など様々な疾患でPF-ILDを来すことが報告され,PF-ILDは自己免疫性ILDの予後不良に関連する.
 治療に関して,IPF以外のPF-ILDを対象にニンテダニブの効果を検証した第3相プラセボ対照二重盲検比較試験(INBUILD試験)において,ニンテダニブは投与52週までにおけるFVCの年間減少率を有意に抑制した.この試験では663例がエントリーされ,うち170例(25.6%)は自己免疫性ILDであった.
 2022年のATS/ERS/JRS/ALATによる国際ガイドラインにおいて,IPF以外の線維性ILDで治療の如何に関わらず過去1年以内に,呼吸器症状の悪化や,生理学的な増悪,画像での線維化の進行を認める症例を“進行性肺線維症(progressive pulmonary fibrosis: PPF)”と呼称する概念が提唱された.PPFの基準は,過去1年以内に下記3項目のうち2つ以上を満たすものとされる:①呼吸器症状の悪化 ②生理学的な進行(1年以内にFVCが5%以上の絶対的な低下,1年以内にDLcoが10%以上の絶対的な低下)③胸部CT画像上の進行.PF-ILDとPPFはいずれも進行性線維化を来すILDを示す類似の概念であるが,両者の相違点としては,①PF-ILDはIPFを含むが,PPFはIPFを含まない,②疾患進行の判定期間がPF-ILDは2年間,PPFは1年間 ③PF-ILDでは各疾患に対する標準治療の実施を要するが,PPFは治療の有無は問わない,などが挙げられる.現在,自己免疫性ILDにおけるPPFの検討も報告されてきている.


3. 天疱瘡治療、最近の進歩

高橋 勇人
慶應義塾大学医学部皮膚科

 天疱瘡は重層扁平上皮に発現する上皮間細胞接着分子であるデスモグレイン(Dsg)1あるいは3に対するIgG型自己抗体により生じる自己免疫疾患である。自己抗体がDsg3の接着機能を障害するために、角化細胞がバラバラとなり、上皮が脆弱になる結果、水疱・びらんが生じる。臨床的に主に3病型に別れており、皮膚のみに症状が出現する落葉状天疱瘡(PF)、口腔内に症状が出現する尋常性天疱瘡(PV)、悪性リンパ腫など腫瘍を合併して生じる腫瘍随伴性天疱瘡である。PVは約半数は皮膚にも症状が出現する粘膜皮膚型と、粘膜のみに病変が現局する粘膜型に分かれる。標的抗原が判明して以来、これらの臨床病型は血清学的診断が可能となり、抗Dsg1抗体のみを持つとPFの臨床を示し、抗Dsg3抗体のみを有すると、粘膜型PV、抗Dsg1抗体と抗Dsg3抗体の両方を有すると粘膜皮膚型PVの臨床を示すため、今では臨床の現場において、自己抗体の血清学的診断が非常に重要な検査となっている。
 この天疱瘡は、病的な標的自己抗原が判明している自己免疫疾患であるにもかかわらず、いまだに、ステロイドを中心とした抗原非特異的な治療法が中心となっている。最近導入されたリツキシマブ(抗CD20抗体)は非常に高い治療効果を示すが、抗原選択的治療法ではない。一方、近年、抗原特異的な治療法の開発も進められている。本講演では天疱瘡における抗原特異的治療法の展望についてご紹介したい。


<特別講演> Autoantibodies in the diagnosis and management of myositis spectrum disorders

Neil McHugh
the Department of Life Sciences, University of Bath

 The detection of myositis autoantibodies has become an invaluable tool in the diagnosis and management of myositis spectrum disorders. Since the discovery of the first myositis specific autoantibody (MSA) anti-Mi-2 in 1975 there have been an increasing number reported in recent years such that MSAs are found in the majority of patients confirmed with myositis, albeit not in all. For the most part no more than one MSA is present in any individual patient, that makes them useful biomarkers for identifying certain clinical phenotypes within the myositis spectrum and offering insights into environmental and genetic influences and pathogenic mechanisms. Myositis is not usually a single organ condition, and in some cases the MSA is more closely associated with inflammatory change elsewhere such as in the skin or in the lungs either of which may be the sole clinical manifestation. In the latter instance the term myositis specific autoantibody may be misleading. There are also myositis related autoantibodies such as anti-Ro52 (TRIM21) that when present with a MSA carry additional value in predicting outcome. The presentation will describe the current repertoire of myosotis specific and myositis related autoantibodies and their associated clinical manifestations, with an emphasis on recent advancements and how in future they may be used to influence treatment.
 Most but not all myositis autoantibodies can be detected by commercially available assays, although there remain challenges in achieving diagnostic accuracy compared to the reference standard such as immunoprecipitation often whereby the autoantibody was originally discovered. Another pitfall in their detection is that screening tests such as an antinuclear antibody (ANA) test commonly used as first step before proceeding may be negative, and the presence of an autoantibody erroneously ruled out. This is especially true with anti-synthetase antibodies such as anti-Jo-1 that stain the cytoplasm in an ANA test rather than the nucleus. So, the clinician ordering the test needs to be aware of the testing procedure and when to ask for additional assays. It is also important to know when and how often to test for myositis autoantibodies, as testing in populations without relevant symptoms is more likely to generate false positive results in subjects with a low likelihood of having myositis. In most cases repeated testing is not necessary, apart from where measuring the level of autoantibody may help in monitoring disease activity. Overall, there is an unmet need to optimise and educate the approach to testing for myositis autoantibodies, in order that their true value is fully utilised for both diagnosis and clinical management of myositis spectrum disorders.