
◎
化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)を原理とするSTACIA
® 専用試薬
◎ 測定時間はサンプリングから結果出力まで19分以内
◎ 広い測定範囲(0.40-50.00 U/mL)
◎ 既承認品(MESACUP™ anti-p53 テスト(ELISA))との
相関良好
p53タンパク質は多彩な活性によって遺伝子の異常から生体を守る機能を担っています。その主な活性としては、遺伝子に異常が発生した細胞における、遺伝子転写制御を介した細胞周期進行の制御・遺伝子修復酵素の活性化・アポトーシス誘導能等が挙げられます
1)。p53遺伝子自体に突然変異が生じると、これらのp53タンパク質の機能が欠損し、腫瘍の発生に至るというメカニズムが考えられています
2)3)。ヒト癌細胞におけるp53遺伝子の突然変異は、大腸・胃・乳腺・肺・脳・食道など多くのヒト腫瘍において見出され、また、p53タンパク質の異常な蓄積が多くの腫瘍組織において観察されています
4)。さらに癌好発家系においてp53遺伝子に変異が見られることが報告されています(Li-Fraumeni症候群)
5)6)。
一方、腫瘍に関連した徴候としてp53タンパク質に対する自己抗体(p53抗体)が癌をもつ患者血清に見られることが1982年から報告されてきています
7)。
p53抗体の出現とp53遺伝子の変異は非常に高い相関があることが示されています
8)9)10)11)。正常細胞にはp53タンパク質は極微量しか存在しませんが、p53遺伝子に突然変異が生じることにより半減期が延長し、変異p53タンパク質が細胞核内に蓄積することが示唆されています
8)。そこで、p53抗体の出現は腫瘍細胞におけるp53遺伝子の突然変異あるいはp53タンパク質の細胞内への蓄積の結果であることが予測されています。p53抗体は実際に悪性腫瘍において高い特異性で出現することから、悪性腫瘍の検出に有効であるという結果が得られています
8)。p53抗体は他の腫瘍マーカーと陽性率での重なりが少なく、組み合わせによる測定が有効であることが知られています。また、特徴として、比較的早期の癌、すなわち治療によって根治できる可能性の高い段階での陽性率が高いことが挙げられ、これらのことから、臨床上有用であると考えられています
12)。
ステイシア MEBLux™テスト anti-p53は、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)により血清中のp53抗体を測定する試薬です。


p53抗原が結合した磁性粒子と検体を反応させると、抗原-抗体反応が生じます。この磁性粒子を集磁して洗浄後、酵素標識抗体を反応させると、p53抗原結合磁性粒子-抗p53抗体-アルカリホスファターゼ標識抗ヒトIgG ポリクローナル抗体(ヤギ)の免疫複合体が形成されます。この複合体を集磁し、洗浄して未反応物を除去してから、基質液(CDP-Star™)を加えると、CDP-Star™ は複合体中のアルカリホスファターゼにより加水分解され発光します。この発光カウントを測定することにより検体中の抗p53抗体を検出します。

※ 「CDP-Star™」はApplied Biosystems, LLCの商標です。
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