◎
化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)を原理とするSTACIA
®専用試薬
◎ 測定時間は、サンプリングから結果出力まで19分以内
◎ 広い測定範囲
抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)は1982年にDaviesらによって壊死性の糸球体腎炎の患者血清中から見いだされた自己抗体で
1)、さらにFalkとJennetteにより全身性の脈管炎を伴う腎疾患患者について報告されました
2)。
ANCAは当初、アルコール固定した好中球を用いた間接蛍光抗体法により、細胞質にびまん性に顆粒状の蛍光を認めるc-ANCAと、核周辺に蛍光を認めるp-ANCAの二つの染色型が存在することが報告されました。その後、1985年にVan Der Woudeらにより多発血管炎性肉芽腫症(Granulomatosis with polyangiitis:GPA、旧疾患名 Wegener肉芽腫症)にc-ANCAが特異的に検出されることが報告され
3)、対応抗原は好中球のアズール顆粒中に存在するプロテイナーゼ3(Proteinase 3 : PR3)であることが明らかになりました
4)。また、1988年にFalkとJennetteは顕微鏡的多発血管炎(Microscopic polyangiitis:MPA)、pauci-immune型壊死性半月体形成性腎炎にp-ANCAが高率に陽性を呈し、対応抗原は主としてミエロペルオキシダーゼ(Myeloperoxidase : MPO)であることを同定し
2)、それぞれANCAの力価が疾患活動性を反映することを明らかにしました
3)。
ステイシア MEBLux™テスト MPO-ANCAは精製MPO抗原を用いた化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)を原理とする試薬であり、特異性に優れ、抗体価の変動を定量的にとらえることができます
5)。
血管炎症候群は、全身のさまざまな血管に炎症が起こり、血管の流れが障害されて起こる複数の疾患の総称です(ただし、感染症や、他臓器の疾患等に伴う二次的な血管の炎症は除外されます)。
血管炎症候群は、罹患血管のサイズ(血管径)によって、大型血管炎、中型血管炎、小型血管炎と分類されます。小型血管炎には毛細血管、細動脈、細静脈および小動脈などの障害が含まれます。 また小型血管炎には、免疫複合体が関与する疾患群と関与しない疾患(pauci-immune vasculitis)群に大別され、後者のうち、顕微鏡的多発血管炎(Microscopic polyangiitis:MPA)、好酸球性肉芽腫性多発血管炎【Eosinophillic Granulomatosis with polyangiitis:EGPA、(アレルギー性肉芽腫性血管炎:Churg-Strauss syndrome:CSS)】、および多発血管性肉芽腫症【Granulomatosis with polyangiitis:GPA、 (ウェゲナー肉芽腫症:Wegener's granulomatosis:WG)】などの疾患群は、抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)と呼ばれる共通の自己抗体が高頻度で検出されることから、ANCA関連血管炎(ANCA-associated vasculitis:AAV)と総称されます。