潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。特徴的な症状としては、下痢、血便、腹痛です。
提供元:京都大学
抗インテグリンαvβ6抗体は潰瘍性大腸炎の患者で上昇する一方、クローン病、大腸がん、過敏性大腸炎など他の腸疾患の患者では上昇しないことが2021年の桒田らの報告の他、各国の研究で報告されています
1-2)。
抗インテグリンαvβ6自己抗体 疾患別陽性率
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潰瘍性大腸炎 |
クローン病 |
その他の腸疾患 |
膠原病 |
健常人 |
陽性率 |
92.0% (103/112) |
7.0% (5/71) |
2.9% (1/35) |
7.4% (2/27) |
0.0% (0/22) |
MBLのAnti-Integrin αvβ6 ELISA Kitはヒト血清中の抗インテグリンαvβ6抗体を特異的に検出する研究用ELISA試薬です。
インテグリンαvβ6は大腸の上皮細胞に発現する、ヘテロ二量体分子であり、フィブロネクチンなど、基底膜に存在する細胞外マトリックスタンパク質に対する受容体の役割を果たしています。抗インテグリンαvβ6抗体は潰瘍性大腸炎の患者で上昇する一方、クローン病、大腸がん、過敏性腸症候群など他の腸疾患の患者では上昇しないことが複数の研究で報告されています
1-4)。抗インテグリンαvβ6抗体が産生すると、この上皮細胞と基底膜の結合が阻害され、炎症をきたすと考えられています
1)。(下図参照)
MBLのAnti-Integrin αvβ6 ELISA Kitは、ヒト血清中の抗インテグリンαvβ6抗体を特異的に検出する研究用ELISA試薬です。
- ・潰瘍性大腸炎患者で特異的に抗インテグリンαvβ6抗体が高頻度で検出されることが発見されました1,2)。
- ・抗インテグリンαvβ6抗体の抗体価は、疾患活動性の変化に連動して変動することが観察されました1)。
- ・in vitroの検討で、潰瘍性大腸炎患者中の自己抗体がインテグリンαvβ6とフィブロネクチンとの結合を阻害することが確認されました1)。
- ・小児の潰瘍性大腸炎においても抗インテグリンαvβ6抗体が検出されることが報告されました3)。
- ・潰瘍性大腸炎患者からインテグリンαvβ6を標的とする自己反応性形質細胞クローンが発見されました4)。
- ・複数のコホートの検体を用い、後に潰瘍性大腸炎と診断された群において診断前に遡って採取された血清からも抗インテグリンαvβ6抗体が高頻度で検出されました。一方、健常人のグループでは抗インテグリンαvβ6抗体は検出されませんでした5)。
なお、原発性硬化性胆管炎(PSC)の大部分の患者でインテグリンαvβ6抗体が検出されることも報告されています
6)。
“If we had a biomarker, we would be able to diagnose ulcerative colitis with more confidence. Colonoscopies take at least one day to complete and can cost up to $200. But if the new testing kit is available, it will take roughly only 15 minutes to draw a blood sample and provide an appropriate result at a reasonable cost. We hope that it will be used in hospitals and clinical practice in Japan within the next two years.” says Dr. Shiokawa *.