ホーム > 疾患と検査 | 全身性自己免疫疾患 > 多発血管炎性肉芽腫症(GPA)(ウェゲナー肉芽腫症)

疾患と検査

多発血管炎性肉芽腫症(GPA)(ウェゲナー肉芽腫症)

多発血管炎性肉芽腫症(Granulomatosis with polyangiitis: GPA)は,上気道や下気道を傷害する壊死性・肉芽腫性炎症,および主として小型ないし中型の血管(毛細血管,細静脈,動脈,静脈)を侵す壊死性血管炎をさします.壊死性糸球体腎炎がよくみられます.
GPA患者には,抗好中球細胞質抗体(ANCA)のうち,蛍光染色パターンで好中球の細胞質が顆粒状に染色される細胞質型(C)-ANCAのひとつであるプロテイナーゼ3(PR3)に対する抗体が特異的に検出され,病気の発症や進行に深く関わっていると考えられています.

臨床的特徴

  1. 上気道の症状(膿性鼻漏,鼻出血,難聴,耳漏,耳痛,視力低下,眼充血,眼痛,眼球突出,咽喉頭痛,嗄声など)
  2. 肺症状(血痰,呼吸困難,肺浸潤など)
  3. 腎症状(血尿,乏尿,浮腫など)
  4. その他の血管炎を思わせる症状(紫斑,多発性関節痛,多発神経炎など)

関連自己抗体および血清学的指標

自己抗体 PR3-ANCA
MBL関連製品 CLEIA:ステイシア MEBLux™テスト PR3-ANCA
IIF法:フルオロ ANCA テスト
疾患・病態との関連 GPAで特異的に検出
診断基準
自己抗体 MPO-ANCA
MBL関連製品 CLEIA:ステイシア MEBLux™テスト MPO-ANCA
IIF法:フルオロ ANCA テスト
疾患・病態との関連 MPAで高率に検出.GPAでも約半数にみとめられる.
診断基準 -