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疾患と検査

抗リン脂質抗体症候群 (APS)

抗リン脂質抗体症候群(Antiphospholipid syndrome: APS)は,ループスアンチコアグラント(LA)や抗カルジオリピン抗体などの抗リン脂質抗体の出現が認められ,動静脈血栓症,習慣流産・胎児死亡などの特徴的な臨床症状を呈する自己免疫疾患です.SLEなどの膠原病に合併して起こるものを二次性APS,他の膠原病を合併しないものを原発性APSと呼んでいます.また,急速に多発性の血栓症を生じ,腎機能障害,中枢神経障害により予後不良となるものを劇症型APS(catastrophic APS: CAPS)といいます.

臨床的特徴

動静脈血栓症

末梢血管・皮膚(四肢壊疽、皮膚潰瘍、網状皮斑、爪床出血)
肺(肺梗塞、肺高血圧症)
肝・脾臓(Budd-Chiari症候群、肝動脈血栓、NRH (nodular regenerative hyperplasia))
心臓(心筋梗塞)
腎臓(腎動脈血栓、腎静脈血栓、微小血管性糸球体炎)
消化管(腸間膜動脈血栓症)

 

習慣流産・胎児死亡、網膜病変、視神経病変など

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 抗リン脂質抗体検査の解説

講師:藤枝 雄一郎 先生


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疾患・病態との関連 LAの責任抗体と言われている。
APS、SLEに特異的との報告がある。*

*)岡田 純, リウマチ科, 23(5), 488-493, 2000

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