自己免疫性肝炎(AIH)
自己免疫性肝炎(Autoimmune hepatitis; AIH)は中年以降の女性で好発し,肝細胞障害を主な病態とする慢性肝疾患で,血清中AST,ALTの上昇,IgGの上昇が特徴的です.また,抗核抗体(ANA),抗平滑筋抗体(ASMA),肝腎ミクロゾーム(LKM)1型抗体など様々な自己抗体が血清中に出現します.これらは診断の指標として有用で,出現する自己抗体の種類にもとづくAIHの分類もなされています.
臨床的特徴
約20%が無症状.有症状例では,倦怠感,黄疸,食欲不振,関節痛,発熱,嘔気.症例の約1/3に慢性甲状腺炎,関節リウマチ,シェ-グレン症候群などの自己免疫性疾患との合併がみられます.
関連自己抗体
自己抗体 |
抗核抗体 |
MBL関連製品 |
IIF法:フルオロ HEPANA‐2 テスト |
疾患・病態との関連 |
AIHで最も高頻度に検出されるが,SLEなどの他の自己免疫疾患でも高率に検出. |
診断基準 |
◎ |
自己抗体 |
抗平滑筋抗体 |
MBL関連製品 |
IIF法:フルオロ AID-1テスト |
疾患・病態との関連 |
通常SLEでは検出されないため,SLEに合併した肝障害と自己免疫性肝炎の鑑別に有用.(ウイルス性慢性肝炎でも検出されます) |
診断基準 |
◎ |