MBL 株式会社医学生物学研究所 臨床検査薬

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MESACUP™ anti-p53テスト
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承認番号:21900AMZ00069000
コード 7640 包装 48ウェル
測定原理 酵素免疫測定法(ELISA) 保存温度 2-8℃
構成品 p53タンパク質感作マイクロカップ、コントロールタンパク質感作マイクロカップ、p53抗体標準血清1-4、陽性コントロール、陰性コントロール、酵素標識抗体(101倍濃縮品)、酵素標識抗体希釈液、反応用緩衝液、洗浄用緩衝液(10倍濃縮品)、酵素基質液、反応停止液

区分 体外診断用医薬品
保険点数 163 保険適用区分 D009 14
留意事項 抗p53抗体は,食道癌,大腸癌又は乳癌が強く疑われる患者に対して行った場合に月1回に限り算定できる.

備考 [重要な基本的注意事項]
  • 本試薬は、食道癌、大腸癌及び乳癌の診断の補助を目的とした試薬ですが、診断に際しては、画像診断・組識診断等他の関連する検査結果や臨床症状等と合わせて担当医師が総合的に判断して下さい。
  • p53抗体は、食道癌、大腸癌及び乳癌の患者であっても、陰性となる場合があります。本抗体が、陰性であっても必ずしも正常ではない場合があります。
  • 食道癌、大腸癌及び乳癌以外の癌患者、他の疾患、並びに健常者においても、p53抗体が陽性になる場合があります。
参考文献
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分野 (測定項目) 腫瘍マーカー ( 抗p53抗体測定 )

食道がん・大腸がん・乳がんの診断の補助に

◎ 腫瘍マーカーとして初の自己抗体測定キットです。
◎ 既存マーカーより早期がんの検出率が高い。

p53とは

p53は全長393アミノ酸からなり、N末端ドメイン、コアドメイン、C末端ドメインの3つの領域から構成されています。コアドメインはDNA結合に関与する領域で、がんに認められる変異のほとんどがこの領域に集中しています。様々な腫瘍で見られる抗p53抗体の抗原エピトープ部位はN末あるいはC末に存在する少数のペプチド配列のサブセットに限定されています。

抗p53抗体とがん

 p53タンパク質は多彩な活性によって遺伝子の異常から生体を守る機能を担っています。その主な活性としては、遺伝子に異常が発生した細胞における、遺伝子転写制御を介した細胞周期進行の制御・遺伝子修復酵素の活性化・アポトーシス誘導能等が挙げられます。p53遺伝子自体に突然変異が生じるとこれらのp53タンパク質の機能が欠損し、腫瘍の発生に至るというメカニズムが考えられています。ヒトがん細胞におけるp53遺伝子の変異は、大腸・胃・乳腺・肺・脳・食道など多くのヒトの腫瘍においてp53遺伝子が突然変異を起こしていることが見出され、p53タンパク質の異常な蓄積が多くの腫瘍組織において観察されています。さらにがん高発家系においてp53遺伝子に変異が見られることが報告されています(Li-Fraumeni症候群)。
 一方、腫瘍に関連した徴候としてp53タンパク質に対する自己抗体(p53抗体)ががんをもつ患者血清に見られることが1982年から報告されてきています。
 p53抗体の出現とp53遺伝子の変異は非常に高い相関があることが示されています。正常細胞にはp53タンパク質はごく微量しか存在しませんが、p53遺伝子に突然変異が生じることにより半減期が延長し、変異p53タンパク質が細胞核内に蓄積することが示唆されています。そこで、p53抗体の出現は腫瘍細胞におけるp53遺伝子の突然変異あるいはp53タンパク質の細胞内への蓄積の結果であることが予測されています。p53抗体は実際に悪性腫瘍において高い特異性で出現することから悪性腫瘍の検出に有効であるという結果が得られつつあります。いくつかの臓器ではp53遺伝子の突然変異はがん化の初期に起こることが推測されていることから、p53遺伝子の突然変異と相関の高い現象であるp53抗体の出現を検出することにより早期がんの診断が可能になることが考えられます。
 「MESACUP™ anti-p53テスト」は、血清中のp53抗体を測定する試薬です。p53抗体の抗原エピトープ部位が、p53遺伝子の変異の少ないN末端領域及びC末端領域にあると報告されていることから、本試薬では、感作抗原として、正常型p53タンパク質を用いています。