ホーム > 間接蛍光抗体法による抗核抗体写真集 > 染色型 > 基本的な染色型

間接蛍光抗体法による抗核抗体写真集

染色型

基本的な染色型

基本的な染色型は対応抗原の詳細が不明であった1960年代に動物臓器凍結切片の細胞核の染色様態により分類されたものです。ヒト培養細胞HEp-2を核材とする現在では、初期に記載された4種の染色型以外にも多くの染色型を観察することができます。またひとりの患者が複数の自己抗体をもっている場合は、それぞれの自己抗体に対応する染色型が混在して観察されます。
染色型判定は間期核の染色様態をベースに分裂期細胞の染色様態を考慮して行います。

陰性


photo 1
細胞核に特異染色が認められない場合は、抗核抗体は陰性である。

蛍光顕微鏡の性能に依存して健常者でもわずかな染色が認められる。染色型判定の困難な程度の微弱な蛍光は陽性としない*。

*使用する蛍光顕微鏡の感度を把握しておくことが重要である。


陽性の場合は染色型を判定する。

Homogeneous型


photo 2   HEPASERA-1**
間期核に均質な染色を示す。分裂期クロマチンも均質に染色される。
抗DNA抗体や抗DNA-ヒストン複合体抗体などのクロマチン関連タンパク質に対する自己抗体による染色型である。

Peripheral型


photo 3
抗DNA抗体による染色型でHomogeneous型と同様に間期核は均質に染色されるが、核周辺部がより強く染色される。分裂期クロマチンも均質に染色され、ときに周辺部がより強く染色される。この染色型を示す血清は殆どの場合、希釈していくとHomogeneous型に変化する。

Speckled型


photo 4   HEPASERA-1**
間期核は全体に顆粒状のざらついた染色を示し、核小体が染色されないことが多い。数多くの対応抗原があり、粗い顆粒や細かな顆粒が認められる。分裂期クロマチンに染色を認めない。
抗ENA抗体の多くがこの染色型を示す。

Centromere (Discrete-speckled) 型


photo 5   HEPASERA-1**
間期核は40〜80個の微細な顆粒状に染色される。分裂期クロマチン部分にも整列した顆粒状の染色を認める。
抗セントロメア抗体による染色型である。

Nucleolar型


photo 6   HEPASERA-1**
核小体抗原に対する自己抗体による染色型で、間期核の核小体が染色される。核小体の染色は均質な場合や顆粒状に染色される場合がある。分裂期クロマチンの染色は一定でない。

**HEPASERA-1はMBLの抗核抗体管理血清 (Homogeneous型、Speckled型、Discrete-speckled型、Nucleolar型) です。(Code No. 4200

多くは上記の5種類に分類されますが、あてはまらない例が存在します。

細胞周期関連型 細胞周期関連タンパク質 (PCNAなど) に対する自己抗体
ドット型 微小な核抗原 (p80 coilin、Sp100など) に対する自己抗体
核膜型 核膜構成タンパク質 (ラミン、核膜孔複合体タンパク質など) に対する自己抗体
  

他に細胞質抗原に対する自己抗体による染色も観察されます。

細胞小器官の抗原に対する自己抗体 ミトコンドリア、リボソームなど
分裂装置の抗原に対する自己抗体 紡錘体、中心体など
細胞骨格を構成する抗原に対する自己抗体 アクチンフィラメント、中間径フィラメントなど