MBL 株式会社医学生物学研究所 臨床検査薬

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間接蛍光抗体法による抗核抗体写真集

抗核抗体の染色像

核小体関連タンパク質を認識する自己抗体

核小体はリボソームRNAの前駆体RNAとタンパク質からなっており、構造的には中心の線維状部分と周辺の顆粒状部分に分かれています。線維状部分には核小体形成域 (Nucleolus Organizer Region) とよばれる領域があり、細胞分裂後の核小体の再構成に関っています。

抗U3RNP抗体 (抗Fibrillarin抗体)


photo 29

染色型 Nucleolar (Clumpy) 型
核小体が大きめの塊状に染色される。分裂期クロマチンも染色される。
対応抗原 U3RNA結合タンパク質
フィブリラリン (34kD)
確認法 免疫沈降法
臨床的意義 SSc (関節炎や肺線維症のないびまん性皮膚硬化型の例が多い)、肝癌
文献 29、30

抗RNAポリメラーゼ I 抗体


photo 30

染色型 Nucleolar (Punctate) 型
核小体が小顆粒状に染色される。分裂期クロマチンは染色されない。
対応抗原 RNAポリメラーゼ I、II、III構成タンパク質 (12.5〜210kDの10種以上)
RNAポリメラーゼ IIまたはIIIおよび I〜IIIの複数と反応する自己抗体も報告されている。
確認法 免疫沈降法
臨床的意義 SSc (肺や腎などの内蔵に重篤な病変を伴い予後不良例が多い)
文献 41229

抗7-2RNP抗体 (抗Th抗体)


photo 31

染色型 Nucleolar (Dotty) 型
対応抗原 RNasePおよびRNaseMRP
確認法 免疫沈降法
臨床的意義 SSc (皮膚硬化の軽度な例が多い)
文献 29

抗PM-Scl抗体


photo 32

染色型 Nucleolar (Homogeneous) 型
核小体が均質に染色される。分裂期クロマチンは染色されない。
対応抗原 75kD、100kDを含む10種以上の核小体タンパク質の複合体
確認法 DID法、免疫沈降法
臨床的意義 多発性筋炎-全身性強皮症重複症候群 (欧米)、日本での報告例はない。
文献 29

抗NOR-90抗体


photo 33

染色型 Nucleolar (Coarse speckled) 型
核小体は顆粒状に染色される。分裂期クロマチン部に数個の強い点状の染色を認める。
対応抗原 核小体形成部位 (Nucleolus Organizer Region) の90kD/92kDタンパク質
臨床的意義 SSc (レイノー現象を伴う例が多い)、肝癌、SS (日本)
文献 30、31

抗RNA helicase抗体


photo 34

染色型 Nucleolar型
核小体が密な顆粒状に染色される。分裂期クロマチンは染色されない。
対応抗原 100kD nucleolar RNA helicase protein
確認法 免疫沈降法
臨床的意義 SSc、SLE、結合織疾患、消化管出血 (Watermelon stomach disease)
文献 32、33

上記以外の核小体抗原に対する自己抗体として、肝癌で出現しNucleolar (Homogeneous) 型に染色される抗B23/nucleophosmin抗体【文献3034】、間質性膀胱炎患者に出現しNucleolar (Homogeneous) 型に染色される抗No55抗体【文献35】があります。

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SLE: 全身性エリテマトーデス, SSc: 全身性強皮症, MCTD: 混合性結合組織病, SS: シェーグレン症候群, 
PM/DM: 多発性筋炎/皮膚筋炎, RA: 関節リウマチ, PBC: 原発性胆汁性肝硬変, AIH: 自己免疫性肝炎