MBL 株式会社医学生物学研究所 臨床検査薬

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間接蛍光抗体法による抗核抗体写真集

抗核抗体の染色像

クロマチン関連抗原を認識する自己抗体


クロマチンの主成分は、dsDNAとタンパク質 (ヒストンおよび非ヒストンDNA結合タンパク質) です。ヒストンコア (2分子ずつのヒストンH2A、H2B、H3、H4からなる8量体) に146塩基対のDNAが巻きついたヌクレオソームが、ヒストンH1の結合したDNAのリンカー部分を介して多数連なってクロマチンを形成しています。クロマチンは間期には核内に分散していますが、分裂期には高度に折り畳まれて光学顕微鏡で観察される染色体 (クロモソーム) となります。


抗dsDNA抗体


photo 13
Peripheral型

photo 14     AF/CDC-1*
Homogeneous型


photo 15
Clithidia luciliae
のkinetoplastが染色される [フルオロnDNAテスト(Code No. 4270, 4280)]

染色型 Peripheral型またはHomogeneous型
Peripheral型は×20〜×40の低希釈で観察されるが、希釈倍率が高くなるとほとんどHomogeneous型に変化する。またHomogeneous型しか観察されない例も多くある。
HEp-2を基質とした場合は血清希釈倍率が高いため、動物臓器切片や血球を基質とした場合よりPeripheral型の出現頻度は低くなる。
対応抗原 dsDNA
抗ssDNA抗体では染色されない。
確認法 蛍光抗体法ELISA法、RIA法、CLEIA法
臨床的意義 SLEに高率かつ特異的に出現。SLE診断基準 (アメリカリウマチ協会 1997年改訂)、SLEの新分類基準項目 (SLICC 2012) に含まれる。
文献 5、6

抗DNA-ヒストン複合体抗体 (抗DNP抗体・抗ヌクレオソーム抗体)


photo 16

染色型 Homogeneous型
間期核全体が均質に染色され、分裂期クロマチンも全体が染色される。
対応抗原 ヒストン-DNA複合体
ヌクレオソームのヒストン-DNA結合部位がエピトープ
確認法 ELISA法
臨床的意義 SLE、ループス腎炎との関連が報告されている。
文献 7、8

抗ヒストン抗体

染色型 Homogeneous型
抗DNAヒストン複合体抗体と同様
対応抗原 ヒストンH1、H2A、H2B、H3、H4、H2A-H2B複合体、H3-H4複合体
蛍光抗体法では主としてH2A-H2B複合体に対する抗体が検出される。
確認法 ELISA法、WB法
臨床的意義 SLE (H1およびH2A)、薬剤誘発ループス (H2A-H2B複合体)
文献 9

抗Ku抗体


photo 17

染色型 Speckled型
DNA結合タンパク質抗原であるためHomogeneous型とする記載があるが、核染色はざらつきがあり分裂期クロマチンは染色されない。70kDタンパク質と反応するモノクローナル抗体でも同様に染色された。
対応抗原 DNA結合80kD/70kD二量体タンパク質 (DNA依存性プロテインキナーゼ活性化因子) 各サブユニットを認識する抗体と複合体を認識する抗体が報告されている。
確認法 DID法、免疫沈降法
臨床的意義 全身性強皮症-多発性筋炎重複症候群 (日本)、SLE、SSc (アメリカ)
文献 1410、11

抗Scl-70抗体 (抗トポイソメラーゼ I抗体)


photo 18     AF/CDC-9*

染色型 Homogeneous型
間期核は顆粒が密に染色され、Speckled型とHomogeneous型の中間的な像を示す。核小体もしばしば染色される。分裂期クロマチンは染色される。
対応抗原 DNAトポイソメラーゼ I
確認法 DID法、ELISA法、WB法、CLEIA法
臨床的意義 SSc認定基準、ACR/EULARによる新SSc分類基準案 (2013) に含まれる。
びまん皮膚硬化型SScに特異的。手指潰瘍、間質性肺疾患と相関がみられる。
文献 12

抗セントロメア抗体


photo 19     AF/CDC-8*

photo 20
分裂期染色体の低張塗抹スライドを用いると染色部位が明瞭に判別できる。

染色型 Centromere型/Discrete-speckled型
間期核は40〜80個の微細な顆粒状の染色を認める。また分裂期クロマチン部に顆粒が配列するのが特徴。
染色体の低張塗抹標本を用いると、接合部に一対の蛍光として存在することが確認できる。
対応抗原 3種のセントロメアタンパク質 CENP-B (80kD)、CENP-A (17kD)、CENP-C (140kD)
確認法 ELISA法、WB法、CLEIA法
臨床的意義 SSc認定基準、ACR/EULARによる新SSc分類基準案 (2013) に含まれる。限局皮膚硬化型SScで高率に出現。
無症候性PBCで高率に検出される。
文献 13、14

* Centers for Disease Controlのコントロール血清

 


染色体の2本の相同染色体が接合する狭窄部分は動原体あるいはセントロメアとよばれており、この領域に特有なタンパク質 (CENP) が知られています。またキネトコアは染色体の分配の際に紡錘糸が結合する部分です。

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SLE: 全身性エリテマトーデス, SSc: 全身性強皮症, MCTD: 混合性結合組織病, SS: シェーグレン症候群, 
PM/DM: 多発性筋炎/皮膚筋炎, RA: 関節リウマチ, PBC: 原発性胆汁性肝硬変, AIH: 自己免疫性肝炎